VOICE メディアの声

お手持ちのカーナビがそのままで進化!VICSが革命的パワーアップで『もっとも頼りになる渋滞情報』の座を奪還する

最新の渋滞情報を提供するVICS(Vehicle Information and
Communication System)サービスが
2020年4月に実証実験を開始。複数事業者の
プローブ情報を反映させることで、
より多くの渋滞情報が得られるようになる。

情報の量が大幅にアップする

多くのカーナビで利用ができる「VICS」。地図上に赤色やオレンジ色の矢印でリアルタイムに渋滞箇所を示してくれ、そのデータをベースに渋滞回避ルート探索も実現するシステム。名前は知らなくてもほとんどの人が意識をせずに使い、便利さを実感しているはずだ。
VICSがサービスを開始したのは1996年のこと。FM多重放送、光ビーコン、電波ビーコンの3種類のメディアで情報提供が行われ、2010年からはDSRC(現在のETC2・0)による情報提供も開始された。その後2015年にはFM多重放送で伝送容量を強化し、タクシーのプローブ情報(車両の走行データ)も得られるVICS WIDEが登場するなどバージョンアップが図られている。
そんなVICSがこのたび大きく進化する予定で、複数事業者のプローブ情報を活用した実証実験を4月から開始。今後VICSはどのように変わっていくのか?を道路交通情報通信システムセンター(VICSセンター)の荒川丈晴さんに伺った。

ー これまではタクシーのプローブ情報を活用していたわけですが、今回の実証実験では複数の事業者(トヨタ、日産、ホンダ、パイオニア)のプローブ情報も活用するとのことで、この経緯について教えて下さい。「今年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、規制なども多く行われることから多くの渋滞が予想されます。そこで、このタイミングで実証実験に取り組むことになりました」。
ー 異なる事業者の情報をVICSセンターではどのように取りまとめるのでしょうか。
「それぞれの事業者の交通情報(道路リンクごとの平均旅行時間など)をVICSセンターが集めてビッグデータとして活用します。提供方法(FM多重放送)については従来と変わらないのでVICS対応のカーナビがそのまま使えます」。
ー 実証実験の期間は9月までとなっていますが、効果が確認できればそのまま本サービスになるのでしょうか。
「そのときには、もう少し実証実験を継続させていこうというお話になると思います。それと今回は関東の一都六県に限られていますが、徐々にエリアを広げていきたいと考えております」。
ー 関東の次は全国へと広がっていくのですか。
「まだ決まっているわけではないですが、その方向で考えています」。
ー4つの事業者がそれぞれ膨大なデータを得ていると思いますが、今までのVICS情報とはどれぐらい内容的に違ってくるのでしょうか。
「今までは主要な道路に設置された感知器の情報を基にしていましたが、プローブではクルマが走行すれば情報が得られるので、現在の数倍の道路をカバーする事ができます」。

2020年4月~9月に行われる実証実験の概要は上記のようなもの。VICSに対応したカーナビで情報が得られ、利用料金は製品の価格に含まれている。

ー VICS WIDEではタクシーのプローブ情報を使っていましたが、それと比べるとどうですか。
「東京都内のタクシーからデータを得ていたので情報量の増加は限られていました」。
ー 今後は、情報の精度も上がるということですね。
「そのとおりです。これから〝つながる〟車はどんどん増えていくので精度も日々向上していくことが期待できます」。
ー トヨタやホンダなど一部の事業者では災害時に〝通れた道〟という情報を提供していますが、そのようなデータも得られますか。
「感知器がない道路でも車が走行すれば情報提供できるようになるので、そのような効果もあると思います」。
ー 今回の進化は体感できるシーンがありますか。
「様々なシーンがあると思います。場所や時間によって渋滞の状況は違います。通勤で使っている方にはわかりやすいでしょう。特に郊外に多いのですが、渋滞しているのに渋滞表示が出ていなかった道路(車両感知器が付いていない)を走行する場合に情報が表示されるようになります。それと順調表示をONにしておくと、空いている箇所を示す青や緑の矢印が明確に増えたことを実感していただけると思います」。

今回の実証実験では一般ユーザーからの「声」を集めている。2020年4月以降に利用した人は積極的に意見を寄せてほしい。ひとりひとりの声がより良いサービスにつながるのだ。

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