VICSセンターって、どんなことをしている?
これまでの実績や、これからの取り組みを幅広くご紹介。
VICSセンターが提供する情報やサービスは、都道府県警察、道路管理者(国土交通省・地方自治体・道路会社)、各機関の情報を集約しVICSセンターに提供するJARTIC(公益財団法人 日本道路交通情報センター)、気象警報等を提供する気象業務支援センターや、雨量情報を提供する河川情報センター、これら様々な機関の協力によって、VICSの情報とサービスは成り立っています。
1995年のVICSセンター設立以後、VICS対応カーナビは各メーカーの協力のもと、出荷されてきました。2020年度までの累計出荷台数は約7,000万台。現在道路を走行している車の約4,000万台がVICS対応カーナビを搭載していると推定されています。
より多くのドライバーにVICS情報を利用いただき、よりよい交通社会の実現に向けてVICS対応車載機の普及を促進していきます。
VICSセンターには日々、ユーザーの方々からの様々なご意見・ご要望・ご質問をお寄せいただいています。それらの声に支えられながら、VICS情報は進化してきました。
これからもVICSセンターは、そのひとつひとつに耳を傾け、真摯に対応し、よりよい交通情報サービスの実現を目指します。
2020年4月より、関東1都6県(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県)で始まった「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」の実証実験。この実証実験はトヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、本田技研工業株式会社、パイオニア株式会社の4社より道路を走るクルマからの情報「プローブ情報」の提供を受け、VICSセンターとJARTIC(公益財団法人 日本道路交通情報センター)が共同で実施しています。
この実証実験では、従来VICSセンターが提供してきた「感知器から収集した道路交通情報」に加え、「道路を走るクルマからの情報(プローブ情報)」を活用することによって、より多くの道路の情報を提供することができるようになりつつあります。
また、この実証実験は、従来は各社が個別で活用していた4社のプローブ情報を集約して活用するというメーカーの垣根を越えた、他に類を見ない、日本ならではの取り組みとして、注目を集めています。
戦後の経済発展とともに進化と拡大を続けてきた、道路や交通システムなど日本の交通インフラ。効率化された交通網が、経済発展をさらに加速させてきました。その一方で、交通事故の増加、排出ガスによる公害など、クルマ社会の負の側面が大きな社会問題となってきました。日本は、様々な技術革新によりそれらの課題をひとつずつ乗り越えてきましたが、年間の渋滞の損失時間、渋滞による年間経済損失など未だ多くの課題が残されています。
VICSセンターは、1995年の設立以後、渋滞をはじめとする交通社会の問題解決のために、その技術とサービスの改善を続けてきました。2020年4月より開始した「プローブ情報を活用した道路交通情報サービス」の実証実験では、一般ドライバーが運転する車から、メーカー4社(トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、本田技研工業株式会社、パイオニア株式会社)が収集したプローブ情報を活用することで、従来は情報が提供できなかった、感知器のない道路にも情報の提供が可能になりつつあります。
VICSセンターだけでは実現できないこのような取り組みは、ドライバーとメーカーの協力があってこそ、実現できたことです。「渋滞ゼロ社会」を目指し、VICSセンターは人と社会と共に、人と社会のために進化を続けていきます。
世界中で大量に排出されるCO2による地球温暖化が懸念されています。温暖化に起因する異常気象、気候の大変動、農水産業への深刻な影響、豪雨・洪水などの自然災害の被害拡大などは、私たちの生活にも大きな影響を与えています。
環境問題は、もはや「待ったなし」の深刻な世界共通の課題となっており、COPなど環境問題の解決に向けた国際的な取り組み、また期を同じくしてその解決を訴える様々な市民活動も活発化しています。
日本国内で年間に自動車が排出するCO2は約1.7億トン※1。VICSが提供する道路交通情報による渋滞回避とスムーズな交通流は、排出されるCO2の削減にもつながっています。
「渋滞ゼロ社会」を目指すVICSセンターは、情報とサービスの向上を続けることで、環境問題の改善にも貢献しています。
VICSセンターが情報提供可能な道路は約46万km。それぞれのカーナビは、VICSセンターが提供する情報提供対象道路における、渋滞、混雑、順調などの「渋滞情報」や、通行止めや車線規制などの「交通規制情報」などの情報をもとに最適なルートを案内し、ドライバーをサポートします。VICSセンターは、より精度の高い道路交通情報を提供することで、快適で安心・安全な走行をサポートし、需要が拡大し続ける物流の効率化にも貢献しています。
関東1都6県で始まった実証実験では、トヨタ自動車株式会社、日産自動車株式会社、本田技研工業株式会社、パイオニア株式会社の4社より提供されたプローブ情報により、実証実験の実施地域では提供された交通情報が1県あたり最大で3倍以上に増加しました。
実証実験の実施地域は、2022年7月に全国へ拡大。より多くの道路交通情報の提供が、日本全国ではじまっています。
国際的なスポーツ大会のような大規模イベントによって発生する通行止め。
これらの交通規制の情報は関係機関によって収集され、VICSセンターからドライバーに提供されています。ドライバーが安心して目的地を目指せるように、VICSセンターではこれからも交通規制情報・規制予告情報などを提供していきます。
地球温暖化による気候変動の影響を受け、大雨や台風の発生頻度と被害の規模が大きくなり、運転中に大雨に遭遇する確率も高まっています。
VICSセンターでは、大雨特別警報や大雨エリア情報を提供することで、ドライバーの大雨回避をサポート。また、大雨による崖崩れ・洪水などの災害が発生した際は、道路管理会社や都道府県警察など各関係機関の方が、「現場の生の情報」を収集し、VICSセンターに提供していただいています。
FM放送局を含むVICSセンターのシステムは、大雨・災害などによって停電が発生した場合でも、自家発電により情報提供を継続。
平時のみならず非常時にもVICSセンターはお役に立っています。
※1 出典:2019年度 国土交通省「運輸部門における二酸化炭素排出量」