[VOL.2]進化し続ける最新のVICS付きカーナビ。2009年冬のナビ事情を今すぐチェック!
2009年 冬のカーナビ戦線
CN-HX3000D

 この冬、カーナビの最新機種が続々と発売されているが、こうした新作の性能を見ていると、カーナビが行こうとしている方向性が見えてくるようだ。

 いわゆる「フルナビ」に該当する据え付け型の本格カーナビのジャンルで目新しいニュースは、パナソニックから発売されたハイエンドモデル【CN-HX3000D】だ。同機は業界初となるハイビジョン対応モデルであり、従来のワイドVGA液晶よりもおよそ2.4倍高精細とされる「ワイドXGA液晶ディスプレイ」を採用している。また併せて車載用ブルーレイディスクプレーヤー【CY-BB1000D】も発売している。車内をエンターテイメント空間として捉え、映像の美しさでライバルを圧倒しようとしている。

 「道を案内する」というカーナビ本来の機能は一定の熟成となり、プラスアルファの土俵で勝負しているような状況であると言える。


CY-BB1000D

CN-MP180DUA 一方、ポータブルナビのジャンルでは、パーソナル性の強さがフルナビとの大きな違いだ。例えばボディカラー。従来のフルナビは車に埋め込む関係上、「カラーバリエーション」という概念は見られなかったが、ポータブルナビとなると話は別だ。パナソニックやソニーなど家電に慣れたメーカーからは、カラフルなボディカラーのポータブルナビが以前から登場しており、また秋には、大手セレクトショップ「ユナイテッドアローズ」がボディカラーをデザイン監修したポータブルナビ【CN-MP180DUA】がパナソニックから限定発売された。

 カーナビが車に接続するだけのモノではなく、車から外して徒歩で使用できたり、自宅でも使用できるといった、「自分のモノ」といった感覚が如実に反映されている。振り返ればコンパクトデジカメも黎明期はシルバーやブラックが多かったが、今やカラフルなボディカラーで売り場を飾っている。

 またポータブルナビでは手軽さの助長が見られ、多くのメーカーで吸盤式の取り付けに切り替わりつつある。従来のベタッとした「ダッシュボードへの接着」では、仕上がりが不細工だったり、あるいは車を買い換えたり、別の車で使用したいときは不便だった。ポータブルナビならではの仕様用途に、メーカーが応えた格好だ。
 ポータブルナビのジャンルは、「フルナビの簡易版」といった位置づけから、「パーソナルなナビ」としてのアイテムへと、歩み始めているようだ。